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「旅立ち」


  前作に続いてライフ企画が制作したアルバム。これまでの「LYREらしさ」を保ちつつ、演奏や音作りのレベルが上がっている。その要因は幾つか考えられる。
  第一に、レコーディングの数ヶ月前に合宿をおこない、収録予定のすべての曲の練習をしたこと。前作まではレコーディング当日に初めて全員で歌い、アレンジを施すという曲も多かったのである。
  第二に、本格的なスタジオでの作業に慣れていたこと。前作の制作でレコーディングの型がほぼ出来上がったため、今回は時間的にも精神的にも余裕ができた。ミックス・ダウンに立ち会うのにも前回で慣れていたので、エンジニアに対して LYRE が求める音をより確かに伝えられたと思われる。
  第三に、ハードディスク・レコーディングで制作したこと。これにより特にミックス・ダウンの効率が上がったので、じっくりと音作りをする時間が得られた。
  第四に、塚田氏の旅立ちである。このアルバムの制作に入る前から、メンバーのひとり、塚田氏が宣教師としてブラジルへ渡ることが決まっていた。その事がメンバーにもたらした結束により、一段と LYRE らしさが出たように思われる。

曲名 ↓詞 ↓曲 ↓作曲年

1
月の光 若林栄子 若林栄子 2001
いきなりLYREらしさ全開。プロモーション・ビデオにも使われた。エンジニアの三澤氏は無口な人だが、この曲が歌われている時に感心したように「よく声が出ていますねえ」と言っていた。前奏のピアノは何となく切なく聞こえるが、同じメロディーの後奏には希望が溢れて聞こえるのが不思議だ。

2
永遠への扉 ヨハネ17:3 塚田 献 1992
塚田氏の大好きなアーティストが亡くなった時「泣きながら」作ったという曲。このアーティストは若林氏も認めていたようで、そのことは塚田氏がLYREに加わることになるきっかけの(小さな?)ひとつにもなったようだ。

3
イザヤ60:19,20 イザヤ60:19,20 若林栄子 1994
メジャーとマイナーのはざまで揺れ動き、永遠を感じさせる。聖書の言葉そのままに曲をつけることにおいて非凡なセンスを持つ若林氏らしい曲。

4
主の御手につつまれて 塚田 献 塚田 献 2002
練習の時、「水面に映る山々」では「情景が目に浮かぶね」、「もう一度」では「本当にもう一度って感じだね」とメンバーに好評だった曲。

5
主の愛 若林栄子 若林栄子 1993
LYRE最初期、女声だけの頃の曲。

6
もちいてください 若林栄子 若林栄子 2002
ある大会のテーマソングとして作曲したものの、譜割りの難しさゆえか没になった曲。確かにメンバーでさえ覚えるのに苦労していた。作曲するにあたってキーボードの「リズム」に合わせて作ったとのことで、LYREのアルバムとしては初のドラムス入りのアレンジとなった。

7
主の平和がこの地に 塚田 献 塚田 献 1991
青木氏のソロで始まる。意外にも青木氏のソロは初めてである。後半に出てくるソロは具志堅氏。作曲の背景に「戦争」があったことを思いながら聞くと、痛みを覚えながら、平和を祈らずにはいられなくなる。

8
希望の朝に 塚田 献 塚田 献 2002
アルバムのタイトル「きっと朝(あした)には」の元になった2曲のうちのひとつ(もうひとつはNo.17「帰り道」)。イースターに作られた曲だというが、イースターの直前には受難節がある。2節の「私たちの咎のために 十字架の道を歩んだ」と受難を歌った箇所に、私は特に心を打たれる。

9
若林栄子 若林栄子 2001
ありのままでいていいことを知った心の軽さが表れている、とても楽しい歌。若林氏は曲名を「眉」にするつもりはなかったそうだが、メンバーが「眉」と呼び続けて定着してしまった。

10
May God bless you 小山晶子 若林栄子 1993
初めて聞いた時は失恋の歌かと思った。そう思ってもいいと思う。けれど本当は小山氏が、結婚していく大切な人の祝福を祈って作った歌。姉を思って作った1節だけだったが、このアルバムに収録するにあたり、直前に結婚した若林氏を思って2節を書き足した。そう思って聞くと小山氏のソロがしみじみと良い。

11
いと高き方のもとで 詩篇91:1,2 塚田 献 1992
LYREの6人を、3人と3人に分けて歌っている。1節は小山氏、若林氏、青木氏。2節は飯塚氏、具志堅氏、塚田氏。こうして聞くと6人6様がよくわかる。

12
きっと空が青い 若林栄子 若林栄子 2001
若林氏はずいぶんと、空に助けられているような気がする。この曲はAメロとサビが同じコード進行だが、全然印象が違うのが面白い。

13
遥かに広く 塚田 献 塚田 献 2003
塚田氏のご子息の名前を詠み込んだ曲。最後に出てくる「キリストの愛を知ることができるように」という部分は特に強調したいメッセージであるとのことから、ミックスを変えてアルバムの最後に、シークレット・トラックとして収録されている。

14
ここに私が 塚田 献 塚田 献 2002
宣教師としてブラジルへ渡る塚田氏の思いがこもった曲だと思う。転調が自然で効果的、かつ必然的。最後の繰り返しで一瞬、塚田氏ひとりのソロとなるが、すぐにメンバーが次々と加わってくるところは、本当に感動的だ。

15
語ってください 若林栄子 若林栄子 1993
1節のソロは飯塚氏。2節のソロは具志堅氏。ピアノが宝石のように美しい。

16
あの丘の向こうへ 塚田 献 塚田 献 2003
リコーダーとギターの加わった、素朴な響きの曲。「風に舞って進む」のところは、本当に高い所で風を受けているような気持ちになる。

17
帰り道 若林栄子 若林栄子 2002
このアルバムを代表する曲。No.8「希望の朝に」と共に「朝」を歌った名曲。

17
〜「遥かに広く」より      
13曲目の一部分のリミックス。マスタリング直前まではアルバム冒頭に置かれる予定だったが、特殊なサウンドであるため、急遽シークレット・トラックとされた。独特なLYREのボイシングが聞かれる。

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